ウーマンが新ネタをラッシュするんだってさ2_2012/4/13

前回、新宿ルミネで行われた東京でのネタライブ第一弾に続き、第二弾に行ってきました。今回は渋谷無限大ホール。仕事の飲み会を一次会で上手く抜け出し、何とか間に合いました。一次会はそれなりに意味のある親睦会だったものの、二次会は無意味な会話の無限ループになるのが目に見えていたし、ウーマンのほうがとても楽しいライブになったので、チケットを棒に振らずに済んでホント良かった。
しとしと雨にもかかわらず、無限大ホールの座席が9割以上は埋まっており、THE MANZAI効果か、それなりに男性客の姿も。小学生くらいの男の子の姿もありました。

ネタは長短合わせて9本の1時間。一回ずつ袖にはけて、色々な出囃子で再登場。選曲も良かった。特に、ライブが始まる直前のBGMがKinksの『You Really Got Me』で、OKAMOTO'Sの音楽ライブに来たのかと錯覚するような選曲に、テンションが上がった。彼らの選曲か作家さんなどの選曲か分からないけれど好感度上がるわ〜。
【ネタ(タイトルは適当)】
1) お姉ちゃんが欲しい
2) 電車でおじいさんに上手く席を譲れるか
3) 歌手になりたい息子と父親
4) 服屋の店員の手口
5) バイトリーダー 中川パラダイス誕生日ケーキVer.
6) 終電に乗らせない方法
7) 本当はお互い相方が嫌い
8) 中川情熱大陸
9) ムラセン 修学旅行Ver.

新ネタばかりです!と言っていたが、個人的にはゼロからの新ネタばかりよりも、原型は前からあったものの、だいぶ練り直して変わったバージョンであれば、そのほうが良いと思っている。やっぱり漫才は舞台にかけながら練り上げていくと面白くなるので。そんなことを思いつつ、以下感想。
1) 村本本人曰く「1本目にやるべきではないネタ」。確かに(笑)。悪い奴らから弟(中川)を庇うお姉さんの、危機一髪どころではない危機。
2) 電車でおじいさんに席を譲ろうとするものの、なんだかんだと断られ、じゃぁ…と座りなおしたらボソッとひどいことを言われるという繰り返しの、題材としては良くあるネタ。それこそ、かまいたちが賞レースでもやっている鉄板ネタも設定は同じで、かまいたちの場合、山内が漫才コントセオリーを無視するボケをして、それに戸惑う濱家に対して山内がリアリティを追及しろとキレてくるメタ的なネタを、細かい演技で魅せている。今回のウーマンのは型としてはオーソドックスだったが、席を譲ろうとする若者役の中川を「まーぁまぁまぁまぁ〜」となんだかんだ言って押し切る老人役村本の、オーバーな演技とボソッと毒を吐くタイミングとトーンが絶妙。ホント、『間』って大事だなぁと素直に思ったり。そして、ベタな流れだったのにオチにひと捻りあって、オッと思うようなきれいな終わり方。個人的には老人キャラって好きなので、ウーマンにも時々やって欲しい。
3) 東京に行って歌手になるんだ!お父さんは俺のこと何もわかっちゃいない!と言い出す息子村本が、色々な名曲を歌うのだが…。息子の歌を丸ごと否定する、中川のストレートなツッコミが、なにげにツボでした。そんなセリフをツッコミで言うことってなかなか無いよねって感じで。
4) 服屋の店員の言うセリフは、かなり良く聞く一般的なあるあるだったので、後半もう少しオリジナリティのあるセリフが聞きたかったかな。村本のナレーション部分と、その後ろで「(店員にそう言われたくらいで買う気になるか?というようなセリフで舞い上がり)これ買います!」とはしゃぐおバカな中川の対比は面白かった。
5) 「今日は全部新ネタです!」と改めて強調してから、「バイトリーダーなんてカッコいいと思うんですけど…」と言い始めた村本に、「え!それ1万回くらい練習したやつですけど!?」とツッコむ中川。それに対して「1万回もやっていない、それはYou Tubeの再生回数だ」と村本がさらりと返したので、入りは同じでも全く違う内容の、お互い了解済みの新バイトリーダーネタなのかなと思ったら… 
バイトリーダー役に入る時のように後ろに下がった村本は、そのまま袖に引っ込んでしまい、すぐに出てきたと思ったら直径15センチくらいの小ぶりのホールケーキを持って登場!前日の4/12が中川の誕生日だったので、そのお祝いケーキというわけ。細長いロウソクが3本ほど立っていたけれど、村本「消防法上、火はつけられません」ん〜相変わらずイケズな法律のままなのか。
そしてこれで終わったりはしないウーマンラッシュアワー! 村本「今からバイトリーダーのネタをやりますので、あなた、ネタが終わるまでにこのケーキを食べ切ってください」 中川「え…?え〜と、これって罰ゲームですか?」確かに(笑)。村本「僕がセリフを言っている間に食べてください。自分のところはちゃんと喋ってくださいよ?口モゴモゴしたら駄目ですよ?」そんな無茶苦茶な〜…という中川を無視して漫才スタート!慌ててケーキを頬張る中川!
これはもう会場に居た人にしか面白さは伝わらないと思うんだけど、村本の長セリフになるたびに、すかさずケーキを頬張り始める中川の、その『食い気味のタイミング』と『素直な必死さ』が面白くて会場は大爆笑!中川がケーキを食べるあいだずっと爆笑なので、村本の長セリフが全く聞こえないという状態に。ついに村本「俺のボケが全然受けへんやんけ!」策士策に溺れる(笑)。いや、村本の狙い通りにウケちゃってるんだろう。「あと2くだりだぞ?食べ切れよ!」とか(笑)。
村本が「最後、ここ俺のセリフ一番長いから食べれる!」と、中川に喝を入れなおして始まった「ここは子供のころから英才教育を受け〜」のくだりにいたっては、早口が売りのはずのバイトリーダーネタなのに、「なーんーやーかーんーやー、居酒屋のー、バーイートーリーダーをー」とセリフを引き伸ばしてフォロー(?)。それでも微妙に食べ切れてない中川の後頭部を掴んで、最後は残りのケーキに顔をベチャ!のお約束。さらに、村本が手づかみで中川の口に押し込んで、ロウソクだけ口から引き抜いたり。やり方がソフトSっぽくって微妙にエロい(笑)。いやぁ、反則技だけど面白かった。
顔を拭いて出てきた中川「(おなかをさすりながら)もうお腹いっぱい」。すると村本がボソッと「あなた、ケーキ嫌いですからね」客「えー!!」中川「そうですよ。嫌いと言うか、どちらかと言うと塩辛とかのほうが好きで」村本「キャラと違いますよね」
そーいえば以前のトークでそんなこと(ケーキがあまり好きでない)を言ってたような…それはそれは本当に罰ゲームでしたね(笑)
6) 終電に乗ろうとする女の子を引き留めて乗り逃させるのが上手いからやらせろという村本だけど、全然うまくないw
7) ネタの入りで、「俺、本当はお前のこと嫌いやねん!」と村本が言い出した時、女性客が一人だけ「えぇ!」って短く叫んだのが素直で可愛かった(笑)。ネタに決まってるやん。具体例を出しあう『ツンデレ』を絵にかいたような漫才。まぁ可愛げがあるし女性ウケするネタ。こういうのは、フットにも似合うだろうけど、ブサイク同士のコンビがやっても余計面白いかも。
8) 中川の何でもない一言が情熱大陸風に取り上げられていく。
9) ムラセンネタは色々なVerが作れそうでいいね。全くきゃぴきゃぴしていない私でも、思わずちょっと「キャ☆」と言いたくなるムラセンの決め台詞の数々は、良く練られていると思う。バイトリーダーネタよりも、ムラセンの決め台詞のほうが、若い子に真似されるという点で流行りやすそう。

久しぶりにがっつり感想レポ。

吉本100周年の伝説の1日の感想も近日書きます!(胸がいっぱいになりすぎて、なかなか手が付けられず)