増長天と広目天/色っぽい長谷川一夫

今日は結局、「まほろば館」→「神保町シアター藤十郎の恋)」&「神保町花月(ダメミファソラシド〜♪)」→ルミネ立ち寄り(餅買い)→「レオちゃん単独ライブ(コネクション・ゼロ)」と、色々フルコースでした。

時系列順に簡単に感想。

まほろば館のライセンスポスターについては、クローズな日記のほうに書いておきました。まぁ、あのオンラインどおりでしたよ。

記念に買ったものは、東大寺増長天像と広目天像のクリアファイルと、せんとくんポールペン。

広目天は切れ長の目で、クールで頭が良さそうな二枚目(笑)。思わず手が伸びて、一体だけでは寂しいから、もう一人選んであげましたw


13:15〜 神保町シアターにて『藤十郎の恋』
1938年の東宝です。もちろん白黒。

監督:山本嘉次郎
原作:菊池寛

脚本:三村伸太郎
撮影:三浦光雄
音楽:菅原明朗
美術:小村雪岱
出演:長谷川一夫入江たか子藤原釜足滝沢修、御橋公、汐見洋

<ネタバレありのあらすじ>
上方歌舞伎の人気太夫坂田藤十郎は、向かいの小屋の一座に江戸から来た人気役者の演技を見て、役者のキャラ人気だけに頼った今の上方歌舞伎に限界と危機感を感じる。その心配どおり、藤十郎の小屋は人足が遠のき、ついには一時休業。
藤十郎は、当時頭角を現してきた近松門左衛門に、脚本重視の新境地の脚本を依頼する。しかし、出来上がってきた脚本の、不義を行う男女の心の動きの表現方法がどうしても分からず、悩む。

座付きの茶屋の一室で思い悩んでいると、茶屋の未亡人でもあり、彼女が16・藤十郎が20のころからの友人でもある、お梶が部屋を片付けに来る。ふと思いつき、藤十郎は、お梶に偽りの愛の告白を仕掛ける。
「あの時からずっと好きだった。茶屋の主人と結婚してしまったので、諦めようと、一度も口にも出したことが無かったが、お前が再び一人身になった今、一度言わせてくれ」

震え、ついには泣き崩れるお梶に、「やっぱり駄目か、笑ってくれ」と振られた演技を始めた藤十郎。ところが、泣き止んで真剣な目になったお梶が「今の告白は本気か」と迫ってくる。実は、お梶のほうこそ、藤十郎を憎からず想っていたのだ。
とたんにおよび腰になり、立ち去る藤十郎(ヒドイw)。

この迫真のやり取りで演技を掴んだ藤十郎。一方、人の噂とプレ公演の舞台と、藤十郎の態度を見て、偽りの告白だったのだと確信するお梶。
最後は、お梶が初日開演直前の舞台裏で自殺。それを知って、ショックと悲しみに振り回されながらも、役者の舞台へと向かう藤十郎


ざっくりとしたあらすじは把握していたものの、詳しい展開は全く知らなかったので、前半はなかなか話が進んでいかないなぁと、若干ジリジリしました。
でも、お梶に告白したあたりから、後半は一気にまくって行きました。


お梶の「女の顔」も、仕草や着物捌きに色気と迫力がありましたが、長谷川一夫の色気がハンパなかったです。さすが、元女形
レスリー・チャンを、ちょっと思い出しました。彼の『覇王別姫〜さらばわが愛〜』も素晴らしかった。

お梶から逆にせまられて、みっともなく逃げ腰になっていくところが、特に生々しくて良かったです。うわ、ひどーいっ!て思いながら笑いを堪えてしまいました(笑)。

男としては覚悟の足りない、青さ炸裂のシーンなのですが、ちょっとふっくらしていてボンボンっぽさのある長谷川一夫と、そのちょっと情けなくも、芸事には一生懸命なキャラが、とてもよく合ってました。