左談次師匠がええわ〜@『万年前座』刊行記念トークライブ11/28

『『万年前座』刊行記念トークライブ「人間くだもの・立川キウイ」〜晩秋の白昼堂々飲みながら、落語を91倍(?)楽しくする立川流談義〜』
という長ったらしいタイトルのトークライブ@ロフトプラスワンに行って来ました。

出演者のどの落語も聞いたことが無いのに、ふらっと飛び込んで行った私は、かなり場違いだったかもw

【出演】
立川キウイ(落語立川流):『万年前座』著者
風間やんわり(漫画家):『漫画落語傑作選』著者
立川談之助(落語立川流):『本家立川流』著者
立川左談次(落語立川流):落語界随一の読書家

ゲストのうち、唯一落語家ではない風間さんだけが、「こういうこと聞きたかったんですけど」「僕は○○の落語を聴いてこう思ったんですけど」とまともに話を振ろうとしてるのに、落語家達は話の腰を折ってばかり。先日のアメトーク『思いついたコトすぐ言いたい芸人』を思い出しましたw

全般的にはかなりグズグズなトークだったけれど、出てくる単語として、博打がどうとか、右翼がどうだとか、2−30代の芸人のトークよりも随分大人なキーワードが酒の肴になってました(笑)。

例えば、春風亭正朝(56)が女性のスカートの中を盗撮して逮捕起訴猶予処分)になっていたことが、今月ニュースになっていた話も、話題に(落語協会は特に処分を行う予定は無い)。
http://www.sanspo.com/geino/news/091118/gnd1118001-n1.htm
ちなみに、盗撮された女性は40代だったそうです(その年で盗撮されるほど短いスカートを穿いているのか!?という意見も飛び出したり・・・)

出演者の中では、私は最年長の左談次師匠(12/2で59歳)が一番好き!
酔っ払いながらも時々ビシッと「おれぁ、そりゃぁ違うと思うな!」と後輩たちの言葉に反駁してくる、チャキチャキの江戸っ子って感じが素敵でした。ご飯でもご一緒するなら左談次師匠が良いな☆

そして、『万年前座』の表紙の写真に使われた、落語の『強情灸』で腕に灸をすえて扇いでいるキウイ氏の写真について、その扇ぎ方がおかしいという話になり、そのまま、左談次師匠の伝説エピソードに。

雲仙普賢岳の噴火があった後、被災者の慰問で落語家達が現地を訪問して落語で楽しませるという催しがあった時のこと。
その時、左談次師匠が掛けたのが『強情灸』。お灸の熱さを我慢して、見栄を張って腕にこんもりとモグサを載せた男が、「煙が出て浅間山の噴火のようだ」と言うくだりがあるのですが、そこを師匠は、

「煙が出て普賢岳の噴火のようだ!」
と言ってのけ、(噺どおりにお灸の火を強めるため)扇であおいだそうです!ww

師匠「いやぁ、被災者達だってなぁ、そんな可哀相可哀相って扱われたくもないんだよ」そうかもしれんけど!・・・とりあえずその時は、聴衆は静まりかえったそうですw

あと、参考になったのは、落語関係のお薦め本の紹介。

三代目三遊亭金馬師匠の『浮世断語』はメチャクチャ面白いそうです。
河出書房から文庫版になって復刊しているので、早速アマゾンで注文しようかと。

アマゾンの紹介文:
『この随筆はひとりよがりの芸談ではない。いうならば明治大正昭和三代にわたる世相や人心の推移変遷を筆にした観察記であり、落語そのものの真の醍醐味を語った趣味論であり、得がたい風俗史の資料メモであり、言語生活録である。面白さを追求した教養人、金馬に始まり金馬に帰る、落語の名著の決定版。』

また、落語家たちの落語中の写真集を二つほど上げ、写真の雄弁さを絶賛していました。
ある程度、落語や落語家を分かっている人が見れば、その写真が「どの噺のあの名シーンをやっているところ」というのがひと目で分かり、優れた落語家のその手元の表現力というのが写真になると凄く良く伝わってくるそうです。

これは分かるーー!漫才も、ネタ中の写真って大好き!落語はなおさら、手さばきの美しさが絵になりそうですよね〜。本の名前を忘れたので調べてみましたが、『高座―橘蓮二写真集』あたりの名前を挙げてたんだっけなぁ?